2019/12/20
空手に筋トレは必要?目的別の筋トレをご紹介
空手を始めたころにはただ身体を動かすのが楽しいものですが、少し上達してくると「もっと早く突きが出したい」とか、「蹴りを鋭くしたい」などという意欲が出てくると思います。
そんなときに筋トレは必要なのでしょうか。今回は空手に筋トレは必要なのか、必要だとしたらどこを鍛えればよいのかについて見ていきたいと思います。
空手に筋トレは必要?
空手に筋トレは必要かどうかという質問の答えは、「ノー」でもあり「イエス」でもあります。メジャーリーグで長いあいだ活躍したイチロー選手は、無駄な筋トレをおこなわないことで有名でした。
イチロー選手の持論は、「野球に必要な筋肉は野球の練習をしていれば付く」というもので、その効率を上げるために入念なストレッチをおこない、関節の可動域を上げることに熱心に取り組んでいました。
空手も同様で、基本的には空手の稽古を続けていれば、空手に必要な筋肉は付いてくるものです。基本動作をおろそかにせず、入念に基礎を繰り返すことで、スピードアップにつなげることが可能です。
筋トレよりも重要なのが、関節の可動域を広げるということです。関節は筋肉が収縮することによって動きますが、筋肉の質が硬いと関節の可動域が制限されます。
関節の可動域が狭くなれば、当然のことながら「筋出力」が低下してしまいます。そうならないためにも入念にストレッチをおこない、関節の可動域を広げることが重要です。
ただこれらはあくまでも伝統派空手について言えることです。直接打撃を認めているフルコンタクト系の空手の場合、ある程度筋トレをした方が有効です。そこで、次項ではフルコンタクト系の空手をする場合におすすめの筋トレを紹介したいと思います。
突きの力を上げるための筋トレ
空手は基本的に突きや蹴りといった動作によって相手にダメージを与える格闘技です。特にフルコンタクト系の空手の場合、一撃で相手をKOすることもあるので、筋トレはとても有効です。そこで、突きの力を上げるための筋トレを紹介したいと思います。
広背筋の筋トレ
空手やボクシングのように、打撃によって相手にダメージを与える格闘技の場合、広背筋が突きの力やパンチ力の源泉となります。
広背筋を鍛えるのにおすすめの筋トレが懸垂です。懸垂というと腕の筋肉を鍛えるようなイメージがあるかも知れませんが、実際には広背筋や腹筋、肩周りの筋肉などをバランスよく鍛えることが可能です。
また自重でおこなう筋トレであるため、怪我のリスクが低いというメリットもあります。ダンベルをお持ちの方でしたら、ワンハンドローイングがおすすめです。
膝よりも低い椅子やベンチなどに左手と左膝を付き、右手でダンベルを持ち下におろします。視線は前に持っていき、息を吸いながらダンベルをわきの下まで引き上げます。
ダンベルを引き上げるときに、肩甲骨を背中側に寄せるようなイメージでおこないましょう。2秒かけて持ち上げ、4秒かけて元に戻します。反対側も同様におこないましょう。
ダンベルを持って突き
軽めのダンベルを持って、突く動作と手を引く動作を繰り返すと、ハンドスピードの向上につながります。相手よりもたくさん手を出せば、それだけ有効打が出る可能性も高くなります。
スプリットスクワット
意外に思われるかも知れませんが、突きの力を強くしたい場合、スプリットスクワットがおすすめです。なぜなら下半身が安定していないと、突きを出した際に状態がぶれるからです。スプリットスクワットは、通常のスクワットとは異なり足を前後に開いた状態でおこないます。
足を大きく前後に開いたら、両膝を曲げながら上半身をまっすぐ下におろします。その際に、上半身が前後左右にぶれないよう、エスカレーターが下りるようなイメージでまっすぐ下におろしましょう。
前になった方の太ももと床が平行になったら元の姿勢に戻ります。膝を曲げたときに、膝頭がつま先より前に出ないよう気をつけてください。上半身をおろすのに2秒、元の姿勢に戻るのに4秒かけておこなうと効果的です。
蹴りの力を上げるための筋トレ
蹴りの力を上げる際に重要となるのが、太ももの前面にある大腿四頭筋です。大腿四頭筋には膝関節を進展させる働きがあるため、大腿四頭筋の筋力が上がれば、膝から先を伸ばす力も強くなり、蹴りの力の向上につながるのです。
大腿四頭筋を自宅で鍛えるのであれば、ブルガリアンスクワットがおすすめです。スプリットスクワットとよく似ているのですが、後ろになる足をベンチや椅子に乗せておこなうのが特徴です。
スプリットスクワットと同じ姿勢をとったら、後ろになった方の足をベンチや椅子に乗せましょう。あとはスプリットスクワットのやり方と同じで、前になった方の太ももが床と平行になるまで上半身を下げていきます。
防御力をアップするための筋トレ
防御力をアップするためには地味ですが腹筋を鍛えることが重要です。パートナーがいるのであれば、お腹に突きを入れてもらい、腹筋に力を入れて耐えるという練習をおこなうのも効果的です。
まとめ
空手の型をおこなっていれば、基本的に空手に必要な筋肉はついてきます。ただ、フルコンタクト系の空手をするのであれば、今回紹介したような筋トレがおすすめです。ケガのないよう楽しみながら取り組んでくださいね。
大阪市の誠空会は、フルコンタクト系の空手を指導している空手道場です。当道場では空手の型や技に加えて、どうすれば適切な体つくりができるかも指導しています。空手で強くなりたい、怪我をしにくい身体を作りたいと思う方は、ぜひ誠空会にお越しください。