空手とキックボクシングの違いとは?

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空手とキックボクシングの違いとは?
最近では以前に比べ、人気が高まっている多くの格闘技が、テレビでも放映されるようになりました。中でもファンが多くなってきている総合格闘技といったジャンルは、年末にも決まって放映がされる程、人気が非常に高くなっています。

それらの格闘技で、有名選手の多くが経験している競技のひとつが空手ではないでしょうか?最近特に話題にあがることも多い、那須川天心選手や、堀口恭司選手の他、外国人選手もそのルーツが空手である事も少なくありません。

日本の代表的な文化である武道。その代表である空手は、精神的な鍛練やダイエットの観点からも海外の人々にも早く受け入れられ、その影響で幼少から空手を学んでいた外国人選手が増えてきているようです。

今回は、そんな国内外問わず認知度も高くなった空手と、キックボクシングの違いについていくつかのテーマに分けてご紹介致します。

空手とキックボクシングのルールの違い
空手のルールとは?
まずは空手のルールですが、基本的には素手で戦います。武道ですので、帯を締めたお馴染みの空手着を着用しての試合になります。柔道の様に帯で習熟度が判別できる様になっており、黒帯を締めていると強い部類の人物であることが一目でわかります。

また、顔面へのパンチは反則となっていますが、顔面への蹴りは認められており、その分蹴り技が多彩であるのも特徴の一つです。ハイキックや、縦回転の回し蹴りである、胴回し回転蹴りなど、様々な蹴り技があるのが特徴です。

試合に関しては、一本、技あり、減点項目などが設定され、勝敗が決まらない場合は、主審の他に、四人の副審による判定で勝敗が決まります。試合の最初と最後には双方「押忍」の挨拶を行い、相手を尊敬し、敬う精神を示します。

キックボクシングのルールとは?
一方キックボクシングは、グローブをつけて戦います。上半身は裸で、ムエタイトランクスまたは、キックパンツを着用し試合を行います。実力が上がると、自分でオーダーしたトランクスなどを着用するなど、スポーツなのでデザインにも比較的寛容です。

攻撃に関しては、顔面への打撃だけでなく、肘うちも基本的に認められています。肘うちを含め、打撃を受けると致命傷になることもあるため、しっかりと防御も意識しながらのコンビネーションを使った攻撃が特徴です。

試合に関しては、起き上がることのできないKO、またはレフェリーストップなどのTKOの他、勝敗がつかない際は、主審による判定となります。判定の基準はダメージがどのくらい残っているかを比べる形で判断されます。

空手とキックボクシングの戦い方の違い
空手の戦い方とは?
空手は基本的に試合時間も短く、顔面への打撃が認められていないため、相手との間合いを素早く詰めた、接近戦が多くみられます。判定の場合も考慮し、スピード感をもって手数を多く出す事も勝敗を左右する要素の一つです。

攻撃についても、至近距離から腹部や胸部、または蹴りでの攻撃が中心になります。比較的大きなダメージを与えられる膝蹴りや、頭部や顔に向けての蹴りで勝敗を決するケースもみられるため、打撃と蹴りの駆け引きも試合の見所です。

空手では、例えば頭部や顔への蹴り、膝での攻撃で一撃で試合を決することも多くあります。当然、ガッツポーズや過度な喜びを表すことは禁止とされており、最後まで相手にも礼を尽くし、「押忍」の挨拶で試合を終えます。

キックボクシングの戦い方とは?
キックボクシングの場合は、3ラウンド以上の場合が多いため、相手の出方を伺ったり、スタミナ配分を気にしながらの試合運びが多くみられます。顔面への直接攻撃などもあるため、致命的な攻撃に注意する必要があるのも、キックボクシングの特徴です。

攻撃については、顔面へのパンチや肘、膝の攻撃を有効にするため、キックとパンチのコンビなネーションを意識した攻撃が必要です。単に打撃の強さだけでは無く、打撃の強弱やタイミング、コンビネーションなども勝敗を決めるため、見所です。

試合後、特にKOやTKOなどで勝敗が決した場合は、飛び跳ねたり、ガッツポーズしたりロープに上ったりと自由なスタイルで喜びます。数カ月前からの減量や、一日複数試合する場合もほとんどないため、勝利のアピールが派手になるのも理解できます。

まとめ
空手とキックボクシング、素人目には漠然と似ているようですが、全く違うものです。ちなみにこんなに違いも多い空手とキックボクシングですが、実はどちらも発祥は日本なのです。

空手は沖縄が琉球だった時代に、沖縄固有の拳法「手(ティー)」に、中国の武術や日本拳法の影響を受けてできたのが発祥といわれています。

またキックボクシングは、ボクシングプロモーターの野口修氏が、ボクシングやムエタイ、空手などを参考に考案したのが発祥といわれています。

実は開催当初のキックボクシングの試合にも、空手の選手が出場するなどしていました。今では全く様相の違うこの「空手」と「キックボクシング」。今ではよく目にする、空手出身のキックボクサーも、実はルーツの頃から活躍していたようです。

以上、空手とキックボクシングの違いについてご紹介しました。どちらもそれぞれに楽しみ方が違いますが、双方の個性を覚えて頂いて、観戦してみたり、また実際に習ってみたりして、是非お楽しみください。

大阪市にある空手道場誠空会は、フルコンタクト系の空手を指導しています。空手にはいくつかの流派があり、相手に技を当てない寸止めを重んじる所もありますが、当道場は空手の醍醐味を重視するフルコンタクトなので、一撃必殺の迫力を楽しむことができます。

とは言え相手に怪我をさせることは目的ではありませんから、グローブや防具などで安全対策もしっかり行っています。また、空手にはキックボクシングには無い精神修養という要素もありますから、修練を通じて礼儀や精神性を身につけることもできます。オリンピックなどをきっかけに空手に興味があるという方は、お気軽に当道場にお越しください。