2019/12/20
空手とテコンドーの違いは?歴史や競技内容の違いを解説
空手もテコンドーも全世界で行われており、競技人口はいまや数千万人にものぼると言われています。どちらも武道ですが、空手とテコンドーは何が違うのか分からない方も多いのではないでしょうか。
一見似ているこの二つの競技は、実は歴史も競技内容にもかなり違いがあります。この記事では空手とテコンドーの違いについて詳しく解説していきますので、これから始めたい方は参考にしてみてくださいね。
空手について
空手の歴史や競技内容について見ていきましょう。
空手は日本発祥の武道
空手は琉球王国(今の沖縄)を起源とする武道なので、日本発祥です。空手道として日本中に普及し、組織化していく中で、様々な流派が生まれたため、武道としての空手道では現在でも試合方式やルールの統一がなされていません。
一方、スポーツ競技としての空手にはルールが制定されています。スポーツとしての空手は、2020年の東京オリンピックよりオリンピック競技にも採用されました。
空手は第二次世界大戦後に世界中に広まっており、競技人口は約3,000万人と言われています。
競技内容
空手の競技内容としては、拳による突きを中心に、足による蹴りも行います。いわゆる打撃技が攻撃の主体です。空手には大きく分けて次の2種類があります。
・型(形):1人で演武を行う。各種の技を決まった順序で行う。
・組手:2人で相対して行う。決まった手順で技を掛け合う「約束組手」、自由に技を掛け合う「自由組手」、勝敗を目的とした「組手試合」がある。
このうち特に組手では、相手に直接打撃を与えるフルコンタクトか、打撃は与えずに寸止めするノンコンタクトかに分かれており、その他、防具の有無など流派によって多くの違いがあります。
フルコンタクトについては直接打撃を行いますが、蹴り以外での顔面の攻撃や、金的、背中を向けている相手への攻撃は反則です。ルールについてはノックダウン制です。
ノンコンタクトについては寸止めで、直接打撃を行わず、突きや蹴りを当たる手前で引きます。偶然当たってしまうこともありますが、少しであれば問題ありません。ルールについてはポイント制です。
スポーツとしての空手にも型(形)と組手がありますが、ルールについてはポイント制を導入しています。
テコンドーについて
テコンドーの歴史や競技内容を見ていきましょう。
テコンドーは空手を基にした韓国の国技
テコンドーは日本の松濤館流空手を起源とする、韓国の国技です。テコンドーも普及し発展していく中で様々な流派が生まれました。
しかし、1970年に韓国の国技としてオリンピック種目に採用されることを目的に、統一組織が発足。1988年のソウルオリンピックより、オリンピック競技に採用されました。現在では、ITFとWTFがテコンドーの主要団体です。
テコンドーの歴史について少し触れると、テコンドーは1937年に韓国のチェホンヒ氏が日本留学中に学んだ松濤館空手を元に考案したものです。その後1955年に、足技を意味する「跆」、手技を意味する「拳」、武道を意味する「道」を組み合わせて「跆拳道(たいけんどう)」と名づけられ、現在のテコンドーとなりました。
テコンドーの競技人口は、2016年時点で世界206ヶ国、約7,000万人となっています。
競技内容
テコンドーでは華麗な足技を中心に、拳による突きも行います。いわゆる打撃技が攻撃の主体です。
テコンドーでは統一組織を作った際に防具とポイント制を導入し、スポーツとして確立されました。
空手とテコンドーの違い
ここでは空手とテコンドーの違いを詳しく見ていきましょう。
テコンドーは空手より足技が多彩
テコンドーは空手より足技が多彩で、足技のボクシングとも言われています。空手の組手(フルコンタクト)で使わない技には、横回し蹴り、飛び横蹴り、飛び後ろ蹴り、飛び後ろ回し蹴りなどがあります。こうした足技を行うには体の柔軟性が必要になってきます。
間合い(対戦相手との距離)は、空手は近く、テコンドーは遠い
相手との距離である「間合い」も、空手とテコンドーでは異なります。空手(特にフルコンタクト)では、手技も足技も相手に確実にダメージを与えないと勝てないため、間合いが近くなります。
一方、テコンドーでは、足技を多用することや、ポイント制で相手にダメージを与えなくてもいいためか、間合いは空手より遠いです。
技のスピードは空手よりテコンドーの方が早い
空手は手技で牽制しながら足技を使います。一方、テコンドーはステップしながら早いスピードで足技を繰り出します。空手よりテコンドーの方が技のスピードが早いです。
まとめ
空手は日本発祥の武道で、テコンドーは韓国の国技です。
空手とテコンドーの競技の面での違いは、大きく分けると次の3つがあります。
・テコンドーは空手より足技が多彩
・間合い(対戦相手との距離)は、空手は近く、テコンドーは遠い
・技のスピードは空手よりテコンドーの方が早い
こうした違いにもよるのか、空手の選手はがっしりした体型、テコンドーの選手は柔軟でしなやかな体型の方が多いです。これから武道を始めるという方は、このような違いを考慮して自分にどちらが向いているか考えてみてくださいね。
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